鬼in恋姫†無双

袁家での風景・鬼がいるとこうなるだろうお話


 袁家の二枚看板と呼ばれる将軍がいる。文醜と顔良の二人だ。
 ある日顔良は一人の男を自分の部下として連れてきた。それは袁紹も許可を出し、仕事が与えられたのだが・・・


さん・・・生きてますか?」
「そろそろあの世が見えてくる頃だ・・・」
 と顔良の視界を埋め尽くす書簡の山。二人の机の上は散々な状況だった。
「あのアマ・・・少しは仕事をしやがれ・・・」
「駄目ですようそんな事言っちゃ・・・心の底から同意しますけど」
 寝不足、いや、ここ数日まったく寝ていない二人は眠りに着く以前に黄泉路へ旅立ちかけていた。
 今まで顔良一人でやってきた仕事が二人になり、しかもの処理速度が半端なかった為大分進んだのだが、この広大な国
の内政を一手に引き受けるのは正直きついのである。
 しかもこの国を治める袁紹はまったくと言っていいほど仕事をしない。文醜も軍務ならともかく内政はまったくのど素人以
下だ。自然、二人と数名の文官だけでこなしているのだが。
「文官の質が低い上に少ない・・・」
「その上私は自分の隊の軍務も兼任するんですよぅ・・・」
「良く生きていたな斗詩・・・」
 二人の力ない会話に自分達の力量不足を痛感する文官たち。この後彼等は大幅に成長する事になる。
「お前達。すまないがそろそろ休まないと本格的に永眠しそうだ。休ませて貰っていいか?」
「そ、そんな事聞かないでくださいませ! お二人がいなければ我らやこの国の民がどうなっているか・・・!」
 申し訳なさそうな顔で休憩を求める二人に、文官たちはむしろ休んでくれと懇願する。この二人がどれだけ国に尽くしてい
るのかは誰よりも彼らが知っているのだ。
「ありがとう。休ませて貰いますね」
「まず寝るか・・・湯浴みは起きてからでいい・・・」
 ふらつきながら部屋に帰る二人を見送って、文官たちは目の前に聳える書簡の山に立ち向かったのだった。


 三日後、相変わらず書簡の山に立ち向かっていると顔良、そして文官たち。そんな彼らの元に、能天気な客が来ていた。
「なあ斗詩〜。どっか遊びに行こうぜー」
「・・・文ちゃん。私今仕事中なんだけど・・・」
「そいつらに任せてりゃいーじゃん」
 しきりに顔良を誘う文醜に、文官たちはキレ気味だった。
「行っておいで。顔良将軍」
「お、あんた話しが分かるんだな! ほらお許しも出たしいこーぜ!」
「ちょ、ちょっと文ちゃん!」
 顔良は文醜に手を引かれて連れて行かれてしまった。
「不破さん・・・」
「あれがいると能率が下がるだろう。彼女の抜けた穴は俺が埋める。お前達も二割増しぐらいで頑張ってくれ」
「了解しました!」
 文官たちの奮闘により先日の半分位にまで減っている山を前に、彼等は再度気合を入れなおした。

 半日後。
「・・・・・・・・・・・・・・・・さん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ?」
 顔良は信じられないと物語る表情で、連れ出される前よりもうず高く積まれた書簡を前に突っ伏す以下文官たちに
質問する。
「何事ですか?」
「あのアホ太守。自分が溜め込んだ仕事をこっちに回してきやがった・・・」
 そもそも先ほどの仕事も袁紹が溜め込んだ仕事なのだ。ようやく終わりが見えてきた所で追加されたのである。
 文官たちは既に心が折られてしまい、今現在は使い物にならない状態だった。
 これにはさすがに顔良といえども怒りが湧く。
「不破さん・・・顔良将軍・・・」
「なんだ?」
「なんです?」
 文官の一人が意を決した表情で二人に言った。
「反逆しましょう」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ。いいかも」」


 その後、いい加減無能な主にキレた&顔良のツートップによる袁家討伐隊が結成され、袁紹はもとより袁術も倒され、
袁家は滅亡。ちなみに兵も民衆も袁家には一切味方しなかった。
 冀州はを太守にした新政権が起ち、数々の新兵器を開発。その戦力を背景に劉備率いる蜀を外交だけで降伏させて戦力
を取り込む。それを危険視した魏の曹操と呉の孫権が同盟を組んで達に戦争を仕掛けたが、新型の戦術兵器や戦略兵器、
そして取り込んだ蜀の戦力を持って迎撃、それぞれの国を降伏させた。それにより一気に大陸を掌握。その後、歴史の黒幕と
呼んでいい連中(左慈と干吉)がを強襲するも、問答無用で滅殺。方術を使ってきたりしたのだが、解析されて
逆流させられ、彼らの存在は闇に消えた。
 その後はの非凡な治世の元、平和になったりしたのだが、おおむね問題ないだろう。
「ちょっと! 問題大有りに決まってるじゃありませんの!」
「そうじゃ! わらわを誰だと思っておる!」
 外野がキーキーとうるさいが、おおむね問題ないのである。

 ちなみに、顔良はその後と結婚。皇后として皇帝となったを支えつつ、子宝にも恵まれ幸せな一生を過ごしたという。


袁家でのの立場(暫定設定)
反董卓連合戦後。
顔良の部下で文官。気苦労の耐えない顔良を支えている。
アホ太守と能天気な文醜はあまり好きではない。
この話ではただでさえ忙しかった顔良がと言うブレインを手に入れて仕事が楽になると思ったら、楽になった分
更に増やされて忍耐の限界をぶっちぎって突破。袁紹に反逆し、頂点へ上り詰める。文醜は顔良の苦労を理解してやれなか
った自分は顔良のそばにはいられないと考えて袁家を離脱する。その後顔良の説得により将軍に復帰。
袁術はついでに潰された。
この後、袁紹と袁術、ついでに張勲は外に出すと問題を起こされそうなのでずっと監視付きの軟禁状態。
でも袁術はが領内で養蜂を始めて定期的に蜂蜜をくれるので満足してたりする。
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