アリサの朝はそんなには早くはない。夫の方が圧倒的に早いこともあるが、
だからと言って惰眠を貪る方でもない。適度な時間に起きてくる。
 その日もいつも通りに起きてリヴィングに入ると、夫が一人で二人分の朝食を用意していた。
「そっか。今日は二人しかいないんだっけ」


 夫婦水入らずの日(アリサ編)


 それはある日の事。
 すずかとなのはは子供達を連れて海鳴の実家に帰っていた。別に喧嘩したとか言うわけではない。
 桃子からの孫に会いたいと言う熱烈なラブコールに答えて海鳴に行ったのだ。ヴィヴィオたちも学校が休みだった事も
あって付いていき、カリムは和服に興味があるとかでなのはたちについていった。フェイトとはやては言わずもがな仕事
である。守護騎士たちも行きたがっていたのだが休みが取れずに泣く泣くお仕事中である。アインはナンバーズの仕事の
監督に行ったので家には居なかった。
 なので今の不破家にはとアリサの二人しかいなかったのだ。まあその二人にも予定は・・・
「今日は仲間内の社長さん方とゴルフコンペじゃなかったっけ?」
「正確にはそれを隠れ蓑にした情報交換と飲み会だが。ニュースを見てみろ」
「うん?」
 ミッドチルダにおいては本来ゴルフと言うスポーツは無い。だが、一部の地球フリークが地球のスポーツを広めており
ゴルフだけでなく様々なスポーツが普及している。やっているのは基本的に魔法を使えない一般人だ。
 アリサがニュースを見ると、
「・・・なにこれ」
「見ての通り。立てこもり事件だ」
 達が行くはずだったゴルフ場はテロリストと思わしき集団に占拠されていた。建物の周りを局の部隊が包囲しているが
手を出せていないようである。
「ちゃっちゃとやっちゃえばいいのに」
「この連中、見た限りマシンガンとかバズーカとかで武装しててな。その上にAMFを散布して魔導師を無力化してる」
「ああ。まだ質量兵器を使う部隊は訓練中で出せないんだっけ。だから睨み合ってるわけね」
「そういうことだ。おかげで予定は無し。さっき幹事のミズ・カルディアからコンペは無しだと連絡があった」
「あの会長さんね。飲み会は?」
「後日日を改めて、との事だ。さっき用意していた酒を戻してきた」
 予定はつぶれていた。二人とも事件の方は特に興味が無いらしい。AMF戦ができるのは旧機動六課のメンバーくらい
だから、その内ティアナやフェイトが投入されるだろう。ちなみにスバルはナンバーズと一緒に救助隊でお仕事中である。
「手助けはしないの?」
「してやる義理も無いな。自分達で解決するだろう」
 そっけない言葉を放つに、アリサは反論するでもなくモニターから視線を外した。
「久しぶりの二人っきりだ。デートでもいかがかな?」
「いいわね。どこかで遊んできましょ」
 そうして二人は連れ立って遊びに行くのだった。


「ん〜〜〜〜〜〜っ!!たまには何の気兼ねも無く遊ぶのもいいわね」
「そうだな。いつもなら華音やともえの世話に、ちびっ子たちの遊び相手になったり、他の嫁さんたちに気を使ったり」
「そのくらいは耐えなさいよ」
「わかってるよ」
 ここはクラナガンの高級マーケット街だ。高級ブランドの店舗が軒を連ねており、そこかしこにセレブな芸能人や
各界の著名人の姿がちらほらと見えていた。そんな中を、アリサはと腕を組んで散策している。
「欲しい物はあるのか?」
「このバッグがいい感じなんだけど・・・0が6個あるわね」
「どれどれ・・・やめておけ」
「やっぱ値段?」
「質の悪いバッタ物だ。本物に極めて近いが致命的な違いがある」
 は店長を呼んでそれを指摘。訝しげに確認した店長は、顔を真っ青にしてとアリサに謝罪した。
「なんというか・・・さすがね」
「無駄に記憶力がいいのも問題だ。この間TVのドキュメンタリーでやっててな」
「ああ・・・フェイトのバッグが贋物だと判明したやつね。あの業者は捕まったんじゃないの?」
「まだ出回ってるんだろ」
 その後、高級店街において贋物の大捜索が行われ、数千万ほどの被害があったと発覚したらしい。
 結局何も買わなかった二人は特に気にも留めなかった。

 二人は自然公園にいた。さきほどパン屋でサンドイッチなどを購入したらしく、ベンチに座って食事中だ。
「こうやってのんびり食事するのは久しぶりね」
「そうだな。最近はパンだのおにぎりだのを食しつつ書類の決済だ。正直食堂で食べたい」
「前の遅れを取り戻さないといけないんでしょ? 今回は久々の休みで、それもあの人達との会合で潰れる予定だったのに」
 アタラクシアはようやくJS事件の傷跡も消え、研究家業も再開していた。だが、以前受けた注文の納期がかなり差し迫っ
ておりそっち方面の研究者は大慌てで実験と改良を繰り返しているのだ。も資材の調達などの雑務と経営関係の
書類仕事がかなり忙しくなっていた。一部はアリサが肩代わりしてくれているものの、それでもかなりの量なのだ。
 基本的に仕事の時間は決まっていないため、研究者達は仮眠室に泊り込みつつ仕事をしており、は自分の研究を
止めて書類仕事に集中していた。このところ一人で食事をすることが多くなってしまいヴィヴィオたちに寂しがられている。
「もうすぐ一段落なんでしょ?」
「ああ。あと少しで子供たちを構ってやれる時間が作れる。最近は嫁さん達を抱きしめてすらやれなかったからな」
「まったく・・・」
 アリサは忙しすぎる現状を良く知っているので特に不満を言うつもりは無いが、この間久しぶりに帰ってきたはやてが
かなり不満を言っていた。折角旦那様の元に帰ってきたのに、と。折角とは何だ折角とはと本気で思ったりしたが、とりあ
えず子供たちと自分達で相手をしたので最後は機嫌よく職場に向かって行った。はやてとは違いヴィータはを労い
に直接顔を出しに行っていたが、はやてはを待って、結局に会えなかった。この辺の努力が足りないんじゃないか
とカリムと二人で思ったそうだが、はやても疲れていたのか早々に寝てしまったので仕方なかったのかもしれない。
「さて、仕事が忙しい旦那様に少しサービスでも」
「何をしてくれるんだ?」
 アリサは自分の太ももをポンポンと叩いた。それが何の合図か察したは素直に横になった。アリサの膝枕で。
「こういうのは久しぶりだな」
「すずかたちはしてくれないの?」
「ちょっと前にフェイトがしてくれたくらいか。この前はすずかとなのはの出産でそんな暇なかったし、今は赤ん坊の世話で
いっぱいいっぱいだ。時々ファーンさんが子供の面倒の見方を教えに来てくれるし助かってるけど」
「旦那より子供かー・・・。まあ子育てに一段落着いたら相手してくれるでしょ」
 アリサは今のところ子供を作る気がなかった。まだ二十歳そこそこだと言う事もあるし、もうしばらく子供抜きで
甘えようと思っていた。今は忙しいの片腕としてアタラクシアで働いている。
「ねえ。昼から何処に・・・寝ちゃったか」
 アリサはこの後の予定をどうするか聞こうとしたが、はアリサの膝の上で寝息を立てていた。
 心なしか幸せそうに顔が緩んでいる。
「・・・まあ、仕方ないか。本当に忙しいものね」
 アリサはの寝顔を見つめながら、ようやくまともに休めている夫の髪を梳いていた。


「起こせばよかったのに」
「あんなに幸せそうな顔で寝られたら起こせないわよ」
 もう日は暮れ始めて、ようやく起きたはアリサとともに屋敷に帰る途中だった。
「ちょっとはすっきりしたみたいね」
「ああ。なんというか、アリサがそばにいてくれると凄く安心する。おかげでよく眠れた」
「ま、まあ相性が良いのもあるんでしょうけど」
「そうだな。遺伝子的にな」
 人間は匂いで伴侶を探す部分がある。なんでも自分が持っていない病気の抵抗力を次代に残すためにそういう能力が備わ
っているらしい。相性のいい相手の匂いはとても心地よく感じ安心感を感じるらしい。
 そういう意味でとアリサは相性が良かった。まあそうでなくともこの二人は精神的な相性も悪くないため特に嫌悪は感じ
ないのだが。なんだかんだあるものの、夫婦仲は悪くは無い。むしろかなり良い。
 そんな二人が仲睦まじく屋敷へと帰宅していると、がアリサを後ろにかばって横にある街路樹の葉の中に飛針を撃ち込
んだ。
「ギャアッ!!!」
 悲鳴を上げて落ちてくるそれを軽く一瞥して、はアリサを抱き寄せて一気に跳躍。慌て始めた気配の囲みから大きく離
れた。
?」
「さて、どこの誰の差し金。もしくは誰かの逆恨みかな?」
 不安そうにを見るアリサには微笑みかけ、姿を現し始めた刺客たちに厳しい視線を向ける。
「化け物め・・・!」
「お前たちは魔法や機械に頼りすぎているだけだ。人としての能力が退化しているだけだろう?」
 畏れるかのようにを見る覆面の集団に、は吐き捨てるように悪態をつく。せっかくの夫婦の時間を邪魔されて
かなり機嫌が悪くなっているようだ。
 覆面たちは問答無用でに攻撃魔法を放つ。魔力弾・魔力砲問わず殺傷設定で放ってくる!
「しっかりつかまっておけよアリサ!」
「わかってるわよ!」
 アリサを横抱きにしたがそれらの攻撃を避けつつ彼らから距離をとる。
「ちっ! 逃がすな!」
「追え!」
 逃げるに、覆面たちは追いかける。身体強化魔法を使っているらしく結構な速さだ。空を飛ばないあたり陸戦魔導師
だろうか。
「どうするの? 逃がす気なさそうだけど」
「今日非番らしい局員がいるんで連絡を取ろう。なに、あいつらなんか相手にならんよ」
 なら簡単にどうにかするとわかっているのか、アリサはのんびりとに聞く。
 は通信端末を取り出して暇をしているであろう人物に連絡を取り、彼等から逃げ続けるのだった。

 たちを見失った覆面たちはきょろきょろと周りを見る。が魔力を隠してしまった上にセンサーに引っかからない
ように仕掛けをしたため居場所を割り出せなくなってしまったのだ。
「くそっ! 失敗か!」
「あの女なら足手まといにしかならないし好機かと思ったが・・・」
「やはり子供を人質にしたほうがよさそうだな」
「ああ。そうなれば奴もおとなしく頭をたれるだろうさ」
 覆面たちの言葉に、それを聞いていたの心が急速に冷えていく。相手が何者であろうとも、もはやには手加減する
という意識が消え去っていた。
 覆面たちは変わらずたちを探して辺りを見ている。・・・すぐそばにがいることに気づけないまま。
「ぐああっ!」
 十数人いる覆面の一人が悲鳴を上げて倒れた。
「ど、どうした!? 何が・・・!?」
 駆け寄ったもう一人は顔面を殴りつけられ後頭部から地面に叩きつけられる!
 覆面たちがそこにいる【彼女】に気付いた時、もはや覆面たちは半数が倒されていた。
「お、お前は・・・ギンガ・ナカジマ!?」
「お兄さんから緊急事態だといわれて来てみたらそういうことですか。あなた方が何者か知りませんが、民間人に魔法を使
ったことは十分罪に値します。おとなしくお縄につきなさい!」
 覆面たちはギンガに襲い掛かった。しかしギンガは圧倒的な実力で迫りくる悪漢を叩きのめしていく。一切の容赦すら感じ
られない攻撃に覆面たちは怖じ気づく。実際は死なないように絶妙にコントロールされているが、そんなことにも彼らは気づ
けない。そしてリーダーと思わしき一人が我先に逃げようとする。
 他の者が倒され逃げようとしたリーダーは何も無いはずのところで何かにぶつかり尻餅をつく。
「な、何だ? ここには何も無いはず・・・」
「認識出来ていないだけだ。俺はさっきからここにいた」
 突然聞こえたその声にリーダーは顔を上げる。そこにはターゲットだったはずのが仁王立ちしていた。その目には酷薄
な光がたたえられている。それに気づいたリーダーは悲鳴を上げながら逃げようとする。だが、逃げようとした先には、吼破
の体勢に入ったギンガが!
「ヒィッ!!!」
「吼破!!!」
 凄まじい威力の拳に悲鳴を上げることもできずに覆面は吹き飛ぶ! そしてその先にはが!
「技などもったいないな。これで十分」
 吹き飛んできたリーダーの足を掴み、勢いを殺さないまま方向を操作し、コンクリートの地面に叩き落とす!
 醜いうめき声を上げて、リーダーの意識は闇に沈んだ・・・

「お疲れー」
「アリサさん。大丈夫でしたか?」
「平気よ。まさかノーヴェと一緒だとは思わなかったけど」
「あたしと何人かはナカジマのおっさんに引き取られてんだよ。救助の仕事も今日は非番だったし」
「チンクが待機中で相手しくれないからってふてくされてたのよこの子」
「言うな姉貴!」
 アリサは自分の護衛についていたノーヴェに軽く礼を言って、覆面たちを捕縛中のに近づいていく。
 礼を言われたノーヴェは照れているのか頬を染めながらそっぽを向いた。
 ゲンヤは戦闘機人たちの何人かを娘として引き取っていた。ギンガとスバルもいるし家族が増えるのは良いことだと笑っ
ていた。特にノーヴェは本当の意味でギンガたちの妹なので特に可愛がられているらしい。ノーヴェ本人は気恥ずかしいからか
ゲンヤをお父さんと呼べていないようである。
 は捕縛した刺客たちの覆面を剥ぎ取ってその身元を推理していた。身元を証明するものを何一つ持っていないあたり
用意周到である。
「お兄さん。その人たちに心当たりは?」
「ふむ・・・風体からして地下組織の奴ではないな。だとしたら管理局か」
「・・・マジかそれ。いくらあんたが目障りだからって」
「やるさ。この間三提督のご老体方に頼まれて新しい昇進試験の問題を作ってな。しかも現職の連中にもやらせた結果、
半数以上が落第して地位を追われたらしい」
「・・・それはそれでマジか?」
「本当よ。お父さんは余裕で合格したらしいけど」
「ああ。あの問題? たしか管理職用に矛盾問題とか用意してたわよね」
「そう。その問題。その矛盾に引っかかるとほかで満点取っていようと無条件で不合格になるやつ」
 あまりに厳しい試験問題にギンガとノーヴェは思わず沈黙する。そしてそれに余裕で合格する父に改めて尊敬の念を抱いて
いた。
 例えばだが、前の問題で出された答えに対してあとの関連した問題で出た答えが矛盾したものであった場合、問答無用で
不合格となる。それは将来不正を行う可能性が出るからだ。矛盾した政策を採って現場を混乱させそれを解決するのに
不正を行うのは良くあることなのだ。そしてさらに泥沼に嵌まっていったりもする。
 そしてその試験を左官以上の局員にやらせた結果が、
「こいつらな訳ね」
「試験問題を作った俺を逆恨みしたんだろう。うんと難しくしろと注文された上に5回も作り直しを食らったんだが」
 作り直した理由は難易度がゆるいからだそうだった。おかげでかなり苦労したのである。
「でもなんであんたが作ったんだ?」
「管理局に対して厳しい視点を持つ第三者に作ってほしかったんだそうだ。適任だろう?」
「この上ないほどに」
 尊敬し敬愛する義兄が自分の所属する組織を嫌っているのが辛いのか、ギンガは目を伏せる。事情がわかるだけに
仕方ない部分はあるのだが・・・。ちなみにギンガはを好いている。もちろん恋愛の相手として。だが、
自分を妹としてしか見ていないことに気づいてしまい自ら身を引いていた。
 気を取り直したギンガは局のデータベースで確認を取ると、脱力した。がっくりと膝を突いたギンガの手元を覗き込んで
理由がわかったノーヴェは同情するように肩を叩く。
「局の人間でした・・・」
 とアリサはやっぱりなあ、という顔でため息を吐いた。
「・・・。護衛でもつける?」
「絶対に裏切ることも無くそばにいても不快に思わない護衛じゃないと子供たちが不安がるんだが」
「それがあるか。吟味しないといけないわね」
「・・・適任者が数人浮かぶが、とりあえず打診はしておこう」
 心当たり数人にメールを送ったは端末を閉じてギンガに彼らが襲ってきたときの映像を渡した。きっちりデバイスで
録画していたらしい。
 その意図がわかったギンガはそれを受け取り、近くの地上部隊まで刺客たちを引きずって行った。
 ノーヴェはとりあえず護衛として屋敷の前までとアリサを送ることになり、送ったあとは臨時収入をもらって
帰ることになったのだった。


 夜もふけて深夜。海鳴に行ったなのはたちは帰るまであと数日あるらしく家にはとアリサだけ。
 そして二人はベッド中で荒い息をついていた。何のことは無い。夫婦の夜の営みを終えただけである。
「ふう・・・波乱の一日だったわね」
「そうだな。護衛のこともあるし」
 しばらく余韻に浸っていた二人だったが、今度は今日一日を振り返っていた。
「せっかく良い気分だったのにあれで潰されちゃったわ」
「そういうな。そのあと必死に挽回したし」
「あたしの好物のオンパレードだったわね。まあ、いつもはみんながいて出来ない分甘えさせてもらったけど」
「みんなの前ではあまり俺にくっつかないんだよな。ほかに譲ってばっかりで」
「いいじゃない。・・・恥ずかしいんだから」
 すずかやなのはは周りに誰がいてもに擦り寄るというか甘えてくるのだが、アリサは周りの視線が恥ずかしいからか
二人っきりじゃないと甘えてくれないのだ。
「明日も仕事かー・・・。早いとこ時間を作らないとね」
「なに、気力はマックスを超えて補充されてるから明日で8割は終わらせよう」
「そのあと体調を崩さないでよ?」
「某ドリンクを飲んだわけじゃないから大丈夫だ」
 軽口と冗談を交えて二人は笑いあう。
「でも。あんたなんであたし相手だと色々がんばるの? なのはたち相手より」
「・・・仕方ないだろ」
「なにが?」
 アリサの追求には口をつぐむ。耳まで真っ赤である。
「で、どうなの?」
「・・・・・・・・・・・」
 はぼそぼそと何かを言っているが、アリサには聞こえない。
「どうなの?」
「〜〜〜〜〜っ! お前は俺の初恋の相手なんだよ!」
「・・・・・・え?」
 アリサは自分の耳を疑う。アリサはの初恋がフェイトだとばかり思っていたからなおさらに。
「ねえ・・・」
「なんだ・・・?」
 アリサはとても嬉しそうな顔でに覆いかぶさった。
「もう一回、シよ?」
「・・・ああ。多分一回では収まらないぞ?」
「望むところよ」
 その夜、とアリサはさらに熱い夜を過ごすのだった。



あとがき
結婚後のアリサとの一日でした。
アリサはの右腕として、アタラクシアのNO.2として働いています。
実は裏設定として嫁に行くのを早いうちから賛同していたバニングス夫妻ががんばって
アリサに弟が出来ていたり。



おまけ

 翌朝、は端末を見て難しい顔をしていた。
「どうしたの?」
「・・・護衛候補の心当たりに送ったメールが一つを除いてエラーで帰ってきている」
 前日に送ったメールが帰ってきていたのだ。どうもアドレスが変わっているらしい。
「どうすんの?」
「その一つから返信が着てるんだ。今の仕事を辞めても良いらしい」
「また奇特な人間がいたものね。誰なの?」
「ああ。ヴィータだよ」
「なるほど。この上ないほど適任だわ」
 ヴィータなら誰も文句は無い。以前から気になっていたらしくこのメールを見て本格的に決意したらしい。
 護衛が決まったので他のメールは送りなおすことはやめたようである。
 ちなみに、そのアドレスの相手はヴォルケンリッター全員+αだったりする。
 
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