一人の少年がここ、麻帆良学園都市に訪れた。
「ここが、麻帆良学園か。さて、これからどうなるだろうなぁ」


「まずい・・・迷った・・・・」
うぅ、いきなり迷子になってしまった。
というか、此処広すぎるんだよう・・・
「あー、誰かに学園長の所に案内してもらうかぁ・・」
そう言って、俺は人を探し始めた・・・


「ふあぁ、やはり昼間は眠いな」
「マスター、やはり授業をサボるのは・・・」
「構わん。もう14年も中学生をしているのだぞ。 これぐらい別に構わんだろう」
全く、忌々しい。それもこれもあのふざけた呪いの所為で・・・
むっ、なんだ?かなり強大な魔力の持ち主が麻帆良内をうろついているが・・・
「茶々丸、どうやら侵入者のようだ。行くぞ」
「はい、マスター」


そいつはかなり挙動不審な感じだったが、私たちを見たとたん ほっとしたような顔をして話しかけてきた。
「あぁ、申し訳ない。ここの生徒さんですか?」
「そうだが、お前は何者だ?」
これだけ強大な魔力を持っているんだ。
こいつも魔法使いに違いない。
「俺は明日から此処の学校に通うことになった、御影 灯也です」
「ふむ、私はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ」
「私は、絡繰 茶々丸です。茶々丸とお呼びください」
「これはご丁寧に。じつは学園長室に顔を出せと言われていたんだけど ここって広すぎるもんだから・・・」
「道に迷っていたわけか」
「面目ない。ついでに言うと学園長室が何処にあるのかを 全く教えてくれてないものだから余計に迷って」
ふむ、侵入者ではないようだな。しかし不親切だなジジィ。
「しょうがない、案内してやろう。ついて来い」
「ありがとうございます。いや、助かりました。 授業中の所為か全然人いないし・・・」
またタイミングの悪いことだな・・・



「いやいや申し訳ない。こちらの不手際で迷惑を掛けたの」
全くだなジジィ。
「いえいえ、こちらも親切な方に助けていただきまして」
なっ、しっ親切だと!この≪闇の福音≫にそんな・・
ニヤニヤしながらこっちを見るなジジィ!
くそっ、赤くなるな私っ!
「いや実は不手際ついでにもう一つ不手際があってのう・・」
は?
「それはいったい・・・・」
「じつは君の転校先が女子校になっておったのじゃ」
「はぁっ!?」
まさか・・・・・
「ジジィまさかと思うが、ウチのクラスじゃないだろうな」
「そのとおりじゃ」
こ、このクソジジィ・・・
「男の俺に女子校に通えと・・・・?」
さすがにショックだろうな・・ある意味天国だろうが・・・地獄にもなるか。
「まぁこうなってしまったのも仕方が無いのでな、どうせだから 男に慣れさせるという大義名分で入ってもらおうかと思っての」
「・・・・分かりました・・・・」
「まぁ、頑張るといい。あの連中ならあっさり受け入れるだろう」
肩をポンと叩いて励ましてやる・・・
御影は最早抵抗する気力も失せたようにうなだれている。
強く生きろ・・・コゾー・・・
「うぅ、色々とありがとうございます。マクダウェルさん」
「エヴァでいい。まぁ多少は愚痴ぐらい聞いてやる」
なんか物凄く哀れだ・・これぐらいしてやってもいいか・・・
「では、タカミチ君。彼を寮の部屋に案内してやってくれんかの?」
「分かりました。さあいこうか、御影君」
「はい。よろしくお願いします」
そうして御影はタカミチにつれられて学園長室を出て行った。



「エヴァンジェリン君」
「なんだジジィ、何か用でもあるのか?」
「御影君の事じゃ」
・・・・・・・
「で?」
「実は彼は、魔法とは何の関係も無い一般人じゃ」
「言動からそうではないかと思ったが、なんだあの魔力の強さは」
サウザンドマスター並みだったぞ・・・・
「彼は生まれつき強大な魔力を持って生まれたらしくての」
なるほど・・・・だがなぜここに?
「わしの古い知り合いの魔法使いが彼を偶然見つけての、 何者かにあの魔力を狙われる可能性があると思いわしに預けに来たのじゃ」
「なるほどな。近衛このかと同じように護衛するためか」
つまり・・・
「御影は不手際でもなんでもなく始めから、あのクラスにいれるつもりだったと・・」
「御影君にはきついじゃろうがまぁ、そう言うことじゃよ。それに・・・」

「この方が面白そうじゃったからのう」
・・・・御影 灯也・・可愛そうに、ジジィの玩具決定か・・・
奴には優しく接してやるか・・・







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